ギックリ腰

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その1

「ギックリ腰」という病名は俗称で医学的には「突発性腰痛症」と言うそうです。

 

ドイツでは「魔女の一撃」とも言われています。

 

「突発性腰痛症」なんて言っても誰もピンと来ません。

 

「ギックリ腰」や『魔女の一撃」の方がピッタリの表現だと思います。

 

突然に襲われるその激痛、一瞬の間に腰が固まってしまって、ちょとでも動かすと身体中の筋肉が緊張し、激痛が走ります。

 

まさにギクッと固まってしまいます。

 

誰が言い出したのかその表現力に感心してしまいます。

 

 

 

その「ギックリ腰」になってしまったのです。

 

4月30日木曜日の朝のことです。

 

いつものように、目が覚めると、玄関まで新聞を取りに行き、トイレにいきたくなるまで布団の中で目を通します。

 

さて、トイレにと立ち上がり一歩踏み出したときに事件は起きたのです。

 

踏み出した足は掛け布団の上でした。

 

「ズルッ!」

 

フローリングの床に布団を敷いているので少し滑ったのです。

 

「ギクッ!」

 

腰に緊張と違和感が走りました。

 

ほんの少し滑っただけですので、立ったままの態勢を維持しようとして腰に力が入ったようですが、思わぬ副産物を生んだようです。

 

「ウッ!」

 

腰が固まって少しでも動くと激痛が走ります。

 

中腰のままなんとかトイレに入りましたが、便器に座れません。

 

幸いな事に老人介護用の手すりが付いていましたので、それにつかまりながらようやく座る事が出来ました。

 

この段階で脂汗びっしょり、その後、用を足し、トイレをでるまで悪戦苦闘、想像にお任せします。

 

 

 

「助けてくれ!!!」と妻に声をかけ、布団の上にやっとの事で横たわりました。

 

その日は朝10時から夜8時半まで予約がビッシリ、7名、延べ9時間10分の施術をこなさなければなりません。

 

出かける8時半まで、1時間足らずしかありません。

 

「ウーム!!!」

 

こんどはため息と冷や汗です。

 

「ギックリ腰だ!!」起きてきた妻にいいました。

 

妻の施術が唯一の頼りです。

 

「ふっ!腹証をしてくれ!!!」

 

腹証とは指圧の技法で、腹部の按圧法です。

 

明生館武田先生による月1回の三水会で、勉強したばかりです。

 

もちろん妻も。

 

「ギックリ腰には、腹証を先ず先にやるべきだ!」

 

三水会での武田先生の言葉を思い出したのです。

 

 

 

腹証を受けること30分、呼吸が楽になり、腰を動かしても激痛はありません。

 

念のため横向き押圧を10分ずつしてもらい、おそるおそる起き上がり、歩いてみました。

 

「動ける!!、歩ける!!」

 

 

 

 

 

「今日どうにかなりそうだ!店にいけるぞ!、施術もできるかも!」

 

ゆっくり、そして慎重に支度を済ませ、自転車には乗れないので、歩いてバス停に向かったのです。

 

・・・・・・・・続く・・・・・・・

 

                   2009/05/07

| | コメント (0)

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その2

バス停まではいつもなら5分で着きます。

 



しかしその朝は10分は掛かりました。

 



「慎重に!、慎重に!」

 

声は出さずとも、自分に言い聞かせながら歩きました。

 

せっかく良化した腰です、痛みが再度の悪化を招きます。

 

 

 

バス停まであと20メートル、その時バスが来たのです。

 

バス停に待っていた2,3人はもう乗り込んでいます。

 



後10メートル足らず、なかなか前に進みません。

 

諦めかけたのですが、ダメもとでミラーにめがけて手を振ってみたのです。

 

バスは止まって、待ってくれました。

 



しかし、乗り込むときも大変です。

 

「ヨッコラショ!!」

 

バスのステップの高いこと、高いこと。

 

腰をかばって、やっとの事で乗り込みました。

 



「だいじょうぶですか?」

 

「ゆっくりお席にお着きください」

 



親切な運転手さんの言葉と、乗客の同情に満ちた視線を集めながら、ゆっくりと、慎重に座席に腰を下ろしました。

 

 

 

バスの座席で一息つきながら、ここまでこぎつけた事に安堵感を覚え、今日の施術はナントカやれるのではと希望が持てたのです。

 



店に着き、開店準備もそこそこに、先ずやってみたのが、施術が可能かどうか体勢の確認です。

 



施術椅子に座ったり、立ったり、施術ベッドの上で腰が曲げられるかどうかetc.。

 



「よし!いけるぞ!」声が出ました。

 

 

 

幸いな事に最初のクライアントさんは、身体の小さな女性です。

 



動作にぎこちなさは残りましたが60分の「足つぼ+整体」はともかく無事に終りました。

 



いつもより早めに店に来ていた妻の第一声は

 

「大丈夫?」

 



「うん、ナントカなりそうだ」返事はわざと明るくしたと思います。

 

 

 

二人目の80分施術も女性で、一人目よりもはスムースに終了。

 



少し腰をかばいながらの施術に慣れてきたんだと思います。

 



三人目のクライアントさんは男性で、120分の体内浄化フルコース、ここをこなせば峠は越せます。

 

 

 

無事終りました。そして待ちに待った1時間の休憩です。

 



この段階で、7名、延べ9時間余の施術をやりこなす確信が持てました。

 



そして7名の施術が終るころには、あのギックリ腰はほぼ全快していたのです。

 



この日なぜか腰痛の方が多く、「腹証」をタップリやりました。

 



なが~い!なが~い!1日が終りました。

 

 

 

朝、ギックリ腰を起こして直後の妻の「腹証」はすばらしく効きました。

 



どうしてこんなに効いたのか?

 



次回ひも解いてみたいと思います。

 

・・・・つづく・・・・

 

 

5月11~14日は鹿児島に帰りますので続きは後日・・・・・・・

 

                        2009/05/09

| | コメント (0)

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その3

ギックリ腰その②からずいぶん日数が経ってしまいました。


書こうと思っていたことの根拠がいま一つ曖昧でしたので、ネットでギックリ腰の事を色々と調べてみたのですが、


なかなかこれだというサイトにめぐり合いませんでした。


ネットには沢山あるのですが、知りたいことを書いてあるものがないのです。


色々と勉強にはなりましたが、あきらめて、ブログの続きを書くことにしました。

 

ギックリ腰とは、突発性または、急性の腰痛の総称のことで、原因は様々です。


一般によく言われている代表的なものが

1、筋・筋膜性の急性腰痛

2、腰椎捻挫による急性腰痛

3、椎間板ヘルニアなどによる急性の変形性腰痛

4、仙腸関節の転移、捻挫

などですが、腎臓、尿管結石や他の内臓疾患なども急性の腰痛を起こす事があるので注意が必要です。


総称であり、俗称ですので、ぎっくり腰の定義は種々で、確立されたものがなく、解釈も詳細もバラバラです。

 

整形外科では急性の腰痛を主訴に来院した患者に対して、先ず内臓疾患の有無を確認し、次に骨折などの骨の異常を確認し、さらにヘルニアや脊椎分離症、すべり症などの有無を消去法的に診断して、残りを急性(突発性)腰痛症と診断する。


「いわゆるギックリ腰ですね、2、3日は冷やして、安静にして、その後無理をしなければ1週間もすれば良くなるでしょう」


「2、3週間しても良くならなければもう一度よく診てみましょう」

と言うのが一般的なのです。

 


そう、「ギックリ腰」はたいしたことはない病気なのです。


でも、起こした時はどうしてあんなに痛いのでしょう。


パニックになるほどの痛みと、全く身動きが取れない硬直は何なのでしょう。


別名「びっくり腰」とも言われているように、突然の痛みに「びっくり」して身体がパニックを起こすメカニズムを調べたかったのです。


ところが、このパニックの事を調べていたのですが、納得のゆく説明が見つからないのです。

 


「ぎっくり腰や腰痛の原因!対処法!」というサイトがありました。

やさしく、親切、丁寧に説明がされており、諸説に偏りがないと思いましたので紹介します。

http://gixtukurigosi.com/


このサイトの「ぎっくり腰の原因」というところでは、以下のような説明があります。


『ぎっくり腰の原因はいろいろな説があり、どれが正しいのかわからないのが現状だといえます。ズバリ筋肉の硬直です。一種の筋肉痙攣というのが正体です


筋肉はゴムのように伸縮をして体の動きをサポートしています。その筋肉がある事でレッとゾーンを越えると、伸縮をが一切出来なくなり、痛みとして腰を固定してしまうんです。


これはある意味での体の自然な反応と言えます。体が天然のギプスみたいに腰を動かさなくしてしまうとも言える反応なんです。』

 


詳しく知りたいと色々探していましたら、       Hon

石川県の小松市で、心療整形外科を開業している

加茂 淳医師のブログとホームページを見つけました。

ブログhttp://junk2004.exblog.jp/

ホームページhttp://www.tvk.ne.jp/~junkamo/

右の本を書いています。


ブログの中に以下の文章がありました。

ぎっくり腰は強烈な筋肉の痙攣痛なんだ。
重いものを持ったときよりも、不注意にちょっとした動作でなることが多いように思う。

筋膜の微小損傷→筋小胞体の損傷→Caイオンの放出→筋肉の痙攣



放っておいても治るかもしれないが、ワケあり筋になり長く悩ませるかもしれない。



ワケあり筋は寒冷、心的ストレス、物理的ストレスなどにより痙攣(spasm)を起こすようになる。



あるいは慢性痛として悩むケースもある。慢性痛の人に病歴を聞くと、初発はぎっくり腰のことがある。



もし、初期の段階で、この筋肉に対して、局所麻酔を注射してやれば、ワケあり筋を作らななかったかもしれない。その他の方法も考えるべきだ。



安静、血流改善、痛みを早くとる、マッサージ、ストレッチ・・・・ワケあり筋を作らない方法を考えるべきなのだ。



ワケあり筋は次々と連鎖していくこともある。痛みをかばう動作、姿勢が次のワケあり筋を作ってしまう。



あるいはワケあり筋に連結している筋を引っ張り新たなワケあり筋をつくる。



最も多くの侵害受容器があるのは筋膜、皮下なんだろ。医者の発想にはなぜか筋肉が抜け落ちてしまっている。あるいは、筋肉を甘くみてしまっている。



そして全くナンセンスな根性疼痛という妄想概念にとりつかれている。

五十肩を考えてみなさい。1年も2年も痛い人がいます。人間が四足動物なら間違いなく間欠性は行を呈していることでしょう。』

 


筋肉の痙攣(筋スパズム)
についてgoogleで検索したところ

理学療養士の勉強中の若い学生さんのブログがありましたので抜粋します。

筋スパズム

『最近、「筋スパズム」で検索して、私のホームページにたどり着く人たちが多いようです。

たぶん、みなさん、筋スパズムについて、はっきりした定義がなく困っているのではないでしょうか?

日本語の本には筋スパズムについて詳しく書かれている物はほとんどないと思います。

私も、筋スパズムについて文献を集め、まとめるという作業をしたことがありますが、資料不足に悩まされました。

私が使ったいくつかの文献やテキストから、いくつかの人たちの定義や記述を要約したものを下記に挙げようと思います。



参考になればよいですが、


James Cyriaxによると
筋スパズムは痛みの結果である。
筋スパズムは痛くない。
筋スパズム自体は無症状である。
筋スパズムは2次的なものなので、治療はその原因に対して行う。
筋スパズムは保護機構として起こるが、時に生体に有害な影響を与える。

鈴木順一によると
筋スパズムは急性期にも慢性期にも起こる
筋スパズムは筋の病変である。
筋スパズムは損傷に対する反応である。
侵害刺激の侵害受容器に対する持続的な刺激により反射活動の強化が起こり、筋スパズムを形成する。

DeJongによると
スパズムは防御的、保護的なものである。
スパズムは大脳皮質から筋線維の間のどこかでの刺激によって起こる
多くは筋にも神経にも影響を与える末梢で起こる。
痛みによって生じる。
機械的刺激でも局所にスパズムを起こす。
スパズムは、恐怖心、興奮、緊張に対する反応として、随意的にも生じる
末梢神経の刺激や損傷、特に変性過程で生じやすい。

Chanmugamによると(物理療法のすべてp84~)
筋スパズムが痛みを起こすことはよくある。(←これについては他の人の考えと全く逆です)
筋スパズムは骨・関節・腱・靭帯などの病理的変化によっても起こる。
スパズムを起こしている筋内の血管は圧迫され血流が減少または停止する。
安静時でも運動時でも、阻血により痛みは生じる。
筋スパズムは求心反射作用により起こる。
深部の痛み→持続性の筋収縮→反射的収縮→深部の痛み→反射的収縮、という悪循環。
塩酸プロカイン注射、超音波療法・・・悪循環のどこかを断ち切る。

博田節夫先生によると(関節運動学的アプローチより)
関節機能異常の症状として特徴的なものに筋スパズムがある。
仙腸関節機能異常により生じるものが多い。よって腰痛の既往を持つものに多い。
腰痛のない者では第1肋椎関節機能異常か、C2-3椎間関節機能異常が原因となる。
筋スパズムのある筋が運動に関与する関節に二次性の関節機能異常を起こす。


治療には、原発の関節機能異常を治療する。
筋スパズムにより間接的に運動制限が起こる。
関節機能異常により直接的にも運動制限は起こる。
筋スパズムは関連痛の領域に出現する。
触れると硬く、圧痛がある。
こむらがえりなどの有痛性の筋痙攣を頻発することがある。
いわゆる凝りは、筋スパズムの軽度なものと考えられる。
高度になると有痛性筋痙攣となる。
肩および頚部の凝りは主に僧帽筋のスパズムによって起こる。
上方への関連痛は頭痛、下方への関連痛は肩甲骨部の痛みや凝りとなる。

以上です。



一人目のJames Cyriaxとは有名な整形外科医で、整形外科のテキストを書かれています。

そのテキストからの引用となっています。

James Cyriax氏は筋スパズムに対して次の2つの実験をしました。



一つ目


硬膜外局所麻酔を注射

すると、
 痛み・・・麻酔によりなくなる。
 筋収縮・・筋には影響しない。

つまり、
 痛み・・・取り除かれる
 同時に筋スパズムのなくなる。

よって、
筋スパズムは麻酔によってなくなったのではなく、痛みを取り除いた事による。



二つ目


筋弛緩薬を注射

すると、
 痛み・・・筋弛緩薬は痛みには影響しないので残存。
 筋収縮・・筋は弛緩する。

つまり、
 筋スパズム・・・取り除かれる
 しかし痛みは残ったまま。

よって、
筋スパズムが痛みの原因ではない。

筋スパズムの発生機序をきちんと把握しておけば、その筋スパズムが治療するべきものなのか治療しないべきものなのかが分かってくると思います。

筋スパズムが生体に対して有害な場合のみ筋スパズムを治療します。

筋スパズムが痛みによって起こっているのならば、筋スパズムが有害なのではなく。痛みが有害なのです。



その場合は、有害な痛みが治療対象となります。

その治療方法は、局所安静であったり、物理療法やAKA-Hなどといった物になるでしょう。』                       AKA-H=関節運動学的アプローチ博田法
 
 
いろんな説がありますが、とにかく痛みは早く取り除くべきものです。
 
急性の痛みであっても慢性痛を引き起こすからです。
 

今回の最後に名古屋大学名誉教授で、世界的な痛み学の権威
 
熊沢孝朗教授の「痛みの科学」という講演の動画を張ります。
 
前述の加茂先生のブログに在ったものです。
 
http://nime-glad.nime.ac.jp/semp/wm.asx?0u-air%2fspecial_lecture%2f014
 
「腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その③」
はその④に続きます。
           2009/05/05

| | コメント (0)

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その4

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その③を以下まとめてみました。

 

 

 

1、ギックリ腰の原因やメカニズムはまだまだ色々な説があり、どれが正しいのか解らないのが現状である。

 

 

 

2、整形外科では急性の腰痛を主訴に来院した患者に対して、内臓や骨の異常などを先ず調べ、残りを急性腰痛症(ギックリ腰)と診断し、重要視しないのが一般的である。

 

 

 

3、ギックリ腰の原因説の一つに筋痙攣(spasm)説がある。

 

   筋痙攣=筋スパズムとは

 

   ①、筋スパズムは防御的、保護的な身体の反応であり、損傷、痛みに   よって生じる求心反射作用の強化によって起こる。

 

   ②、筋スパズムにより、筋肉の伸縮阻害が生じ、筋肉を硬直させる。

 

   ③、筋スパズムと痛みの関連により悪循環が生じる。

 

     (深部の痛み→持続性の筋収縮→反射的収縮→深部の痛み→反射的収縮)

 

   ④、筋スパズムは急性期にも慢性期にも起こる。

 

   ⑤、筋スパズムの起こる原因は、

 

      筋・筋膜原因説、骨・関節・腱・靭帯の病理原因説、

 

       痛み原因説、末消神経の刺激・損傷・変性過程原因説などの諸説があり、これらの複合説もある。

 

 

 

4、ギックリ腰はワケあり筋から慢性痛へと進行してしまうことが多いので、

 

 早めの治療が必要だ。・・・・・・加茂 淳 医師

 

   (局所麻酔、安静、血流改善、マッサージ、ストレッチ、早期の痛み除去    etc.)

 

 

 

5、『痛みの科学』・・・・講演・名古屋大学名誉教授・熊沢孝雄・・・・動画

 

 熊沢教授は、痛みの可塑性というテーマで以下のように述べています。

 

 

 

   「痛覚系は可塑性が高いと言われています。

 

   可塑性というのは、一度変化が起きると元に戻りにくい性質の事です。

 

   この可塑性という性質が、いわゆる慢性痛の原因となっていることが

 

   最近の研究で明らかになっています。

 

   痛みという信号は身体のどこかで異変が起こっていることを知らせる

 

   大切な警告信号です。

 

   痛みの治療は医療の原点であるにも関らず、ある程度の痛みは

 

   当然であって、ガマンするものとされてきました。

 

   しかしそのような考え方が、患者を長く苦しめる慢性痛を引き起こす

 

   原因となっていることが明らかになっています。

 

   急性痛は生体にとっての警告信号として働き、逃避反射を起こしたり、

 

   生体の防御機構を高めたりする働きを持っています。

 

   そしてその信号は、細胞が破壊された部位から起こり、その原因は

 

   組織損傷という点ではっきりしています。

 

   一方慢性痛は痛みが長期的にわたって持続する事によって、

 

   神経系におこる形態的、機能的な異常が生じるために起こる

 

   精神的なストレス、交感神経の興奮などの心理的要因によって

 

   影響を受けやすいことです。

 

   急性痛は、モルヒネをはじめ、各種の鎮静剤が効果的ですが、

 

   いったん慢性化した痛みは、モルヒネや通常の鎮静薬では効かない

 

   場合も多くみられます。

 

   このようなやっかな慢性痛にならないためには、なるべく急性期に

 

   痛みの原因を取り除くことが大切です。」

 

                          全日本鍼灸学会雑誌48巻3号より

 

 

 

 

                           以上が前回のまとめです。

 

 

これらの他にもギックリ腰については、「体性防御反射」という身体の反応も関係していると言う説もあります。

 

 

 

体性防御反射で有名なのは、虫垂炎かどうかを調べる時の医師の腹部の触診法です。

 

腹腔臓器、腹膜の障害が腹筋群を収縮させる現象を利用して虫垂炎の理学的所見を導き出すのです。

 

 

ギックリ腰でも、腰部に急性痛が生じたことによって、体性防御交感神経反射による周辺筋の筋緊張が促進されます。

 

 

 

また、前に述べました筋スパズムについて追加の説明です。

 

筋スパズムとは筋紡錘の感受性が過度に高まって解除できなくなった状態です。

 

 

 

筋紡錘について以下の説明をのせます。

 

 

 

 

 

「筋肉には筋紡錘と呼ばれるセンサーがあり、筋肉が瞬間的に引き伸ばされると

 

筋紡錘から脊髄へ信号が送られる。すると脊髄から筋肉を収縮させる信号が出され、結果として筋肉が反射的に(つまり意思とは関係なく)収縮する。

 

これを伸張反射あるいは伸展反射と呼ぶ。

 

伸張反射は筋肉が急激に引き伸ばされたときに起こる防御反応である。」                                                          

 

                       フリー百科事典ウィキペディアより

 

 

 

前回が分り難かったので再度整理してみました。

 

次回では腹証について述べたいと思います。

 

                          2009/07/28

| | コメント (0)

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その5

腹証

『腹は生あるの本なり、故に百病ここに根ざす、ここを以って病を診するには必ず腹を候う』



江戸時代中期の漢方医・吉益東洞(1702~1773)の言葉です。



腹証は腹診とも言われていますが、古くは按腹とも言われていました。



あん摩で按腹のできるのは、
検校(あん摩の最高位)の位のある者に限るといわれたほど、その技術は難しいものとされていました。

 



しかし江戸時代末期に太田普斎は
「按腹図解」を著し、当時のあん摩の虚技曲手を批判し、素人、婦女子にもできる、単純な推圧による治療法を提唱したのです。



按摩を揉みさすることにして複雑な手技を誇り、
業界保護ために素人には真似の出来ないものにして、本来の治療効果をおろそかにしていた風潮を嘆いて、家庭療法にも活用できる事を主眼にした著書でした。 



「按腹図解」は、腹部施術だけを教えているものではなく、
全身治療を教えているものですが、腹部を最も重視して、古法按摩に戻り、単純推圧による経絡補瀉の術を施す事を伝えています。



日本の伝統的な指圧は、
太田普斎の「按腹図解」の流れを汲んでおり、古法按摩の姿を伝えているものです。

 



腹証(腹診、按腹)は診断と施術(治療)の両方を同時に行う技術です。



腹診は、診断のみのことを言うとの主張が西洋医学方面にありますが、
現代指圧の理論的第一人者である故増永静人師は、



著書「経絡と指圧」の中の一節でで以下のように述べています。

 



『中国では自覚症であった腹証を、
全面的に切診の領域に取り入れた日本独自の診療形式は、この意味で、世界に冠たる医学に発展したと言えるのである。



この方法が中国に逆輸入されたということも当然のことであろう。

 



しかるに現代の医家は、
この腹診の真意をすっかり忘れてしまっているのではないだろうか。



それは按の技術を知らず、
西洋の触診法を真似て腹診を行うからである。



鍼灸師は、
補瀉を逆転させた現行あん摩を学んでから鍼灸に入るからである。

 


古法の按は、ただ押すことでない、圧してじっと考える事である。



知覚神経を鈍磨させる一定圧の持続圧は、
原始感覚を興奮させて副交感性の圧反射をおこす。



このはねかえりは同時に触覚を鈍磨させて
じっと圧したままの術者の指先に原始感覚を呼び起こすのである。



そこで圧するものと圧されるものの間には二枚の皮膚があるのでなく、
自他の交流する生命的な膜があって、両者の圧反射を媒介して生命的に共感することが出来ることになる。 



これはもはや自覚症でも他覚症でもなく、
自他の交流する生命の一体感である。

 



このような切診を行う指圧をすると(これが真の診断即治療であるが)、
ときには患者の苦痛がそのまま術者の身体の苦痛として感じることがある。



このような自他一体感は常にあるわけではないが、
そうした経験から圧した響きによる患者の圧痛や異常感が、術者には患者のそこにあるものとして、感じることが出来るようになるのである。・・・中略

 



患者の苦痛が医者によって共感されることは、
いかなる精神療法を行うよりも患者にある種の安堵感を覚え、医者への信頼感を与えるものである。・・・後略』

 



増永師は腹証を行う際に、経絡の走行とは別に、
十二経をそれぞれ面として捉え、全体のバランスWhat_body01からそれぞれの部分の力動的な関係によって虚実をみると共に、これに補瀉の指圧を施せばよいように腹証の診断治療要図を創りました。



右がその図です。

 

 

話はギックリ腰に戻りますが、ギックリ腰をおこしたときに行う腹証、安定持続圧は、自律神経をリラックスさせ、副交感性の内臓反射をおこさせます。



それに腹部の押圧により、
腰椎を支える腹側筋が緩み弾力を回復し、防御性の緊張とスパズムの連鎖を断ち切ります。



次回は腹証のギックリ腰における効果についてです。

                             2009/09/09

| | コメント (0)

腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その6最終回

ギックリ腰に腹証(お腹の指圧)が効きました。



それも、ギックリとなった直後の腹証(お腹の指圧)が
とても効果があったので す。



なぜ効いたかその理由を述べたいと思います。

 



ギックリ腰をおこしたときに行う腹証、安定持続圧は

①呼吸を整え、過度の交感神経の緊張状態を緩和します。



②腹部の按圧は、副交感性の内臓反射をおこさせ、
腹部、腰部の筋肉群の緊張を緩めます。



③それに腹部の押圧により、
ゲル化している筋細胞の原形質をゾル化させ、腰椎を支える腹側筋が緩み弾力 を回復し、防御性の緊張とスパズムの連鎖を断ち切ります。

 

痛みの原因筋以外の周辺筋から緊張がほぐれ、 固まって動きの取れない状態から解放されるのです。



④ゲートコントロール効果も考えられます。

  脊髄には痛みなどをコントロールするゲート(門)があります。   

  痛みの神経(感覚神経)には太い神経と細い神経があり、 脊髄(硬膜外)のところでどちらの神経を脳に伝えるか コントロールします。

 

太い神経は触覚(触る)、圧覚(押す)、振動覚(ゆする)なども 、
脳に伝えるので、 痛みが脳に伝達されている時に、触る、押す、ゆするなどの刺激を入れることで 痛みの神経(細い方の神経)を閉ざす役目をしてくれるのです。

 

それが、ゲートコントロールです。

 

母親が子どものお腹をさする事で腹痛を緩和させるのも、
心理的な安心感の作用と、このゲートコントロール効果が 相乗効果を上げていると言えます。

 



ギックリ腰が腹証(お腹の指圧)によって、
数時間のうちに仕事に支障のないほどに改善されたのは、ギックリ腰をおこした直後に手当てをし、痛みの悪連鎖を早いうちに断ち切ったことが効果をもたらしてくれたのです。



また、妻が明生館での勉強会で腹証を習っていたので、
すぐに対処が出来たのです。感謝!感謝!

 



参考サイト(筋骨格系の痛み・・・加茂整形外科)

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_181.htm

                                                 2009/11/4

| | コメント (0)

ぎっくり腰、妻の立場から

書いたのはクッキーの使命感ではなく、

暗黙の業務命令からでしょう?。



「これを書かずして何が施術家か!」



「武田先生に愚痴っておしまいはないでしょう!」

という私からのプレッシャーを幾分かは察知してくれたのでしょうか?



昨日は割りとゆっくりの施術だったので

パソコンに向かっていました。



何をやっているかはわかりませんでしたが、

私は自分の仕事をしながら、

時々「保存した?保存した?」とうるさく・・・



去年の5月の三水会の時でした

『ギックリ腰』を教わったのは。



衝撃的だったので、頭にもノートにも

しっかり残っています。



1.仰向けになれない人は横向き施術から。

2.仰向けが出来る人はお腹から。

 急性だと60分に収める。

 何故お腹?・・・腹圧のバランスをとること。

 などとノートに書いてあります。

(もっともっとたくさん。筋肉のことなど)



『腰なのになぜお腹?』をクッキーにちゃんと書いて欲しいと思って

暗黙のプレッシャーをかけているのです。



せっかく自らいい経験をさせてもらったのですから。



世の中の人もきっと知りたいと思いますから。



リフレパシーを学んでいる私達は仰向けの施術をします。



腹症はもちろんの事肩、首においても。

(よそはうつ伏せが多いと聞きますが。)

難しいけれど効果はばっちりです。



腹症も難しい。



何が難しいかわからないほど難しい。

武田塾長ブログの“女、こども”云々のところ、

http://meiseikan.com/

よくわからないけど愛情でしょうね。



料理の最大の隠し味は“アイジョウ~”と言うではないですか?

          wisteria

                                    2009/05/09

| | コメント (0)