母にとっての新しい月
母のところに持っていくものがあったので、昼過ぎに行った。
昼食後のお昼寝タイムだった。
「wisteriaだよ」というと割と機嫌よく目が醒めた。
すこぶる機嫌が悪い時がある。
そんなときは、身の置きどころがないが、年寄だから仕方ないとそっと見守る。
今日は、体調がよさそう。
枕元のカレンダーに目が行く。
6月のままだ。
「今日から、7月だよ。6月、色んなことがあったけど生きてられてよかったね」
「うん」と笑顔の母。
2ヶ所のカレンダーをめくる。
一つは、ひまわり。もう一つはバラに。
94歳の母にとっては、「今日は、何月何日」は、大事。
痴呆ではないけど、まわりのことに疎くなっている。
新聞は読まなくなったし、テレビも面白くないという。
だから、元気でいてほしいから、話しかけたり、散歩に連れ出したりしている。
散歩の時の1階の保育園のチビちゃんたちとのおしゃべりは、満面の笑みになる。
そんな中、カレンダー替えも大事なこと。
私も、新しいものにはワクワクするもの。
めくっていると、「扇も変えて」という。
扇とは、宮脇賣扇庵の扇のこと。
20数年前、父と、時々私たち姉妹も加わり京都を散策した時に集めたものである。
季節ごとに20数本ある。
春夏秋冬、すべて。
椿、紅梅・白梅、枝垂桜、山桜・・・山吹、藤、うつぎ、りんどう、すすきなどなど。
痴呆じゃないけど、色んなことに反応が鈍くなっている。
だけど、この扇の花選びは、的確だ。
私が教わる感じ。
私の「季節感好き」は母のこんなところからきているのかも?
wisteria
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