足つぼ(リフレクソロジー)との出会い・・・7
1991年6月に私は台湾の国際若石健康研究会本部で、「足部反射学専業訓練理論及実習研修課程」いわゆる「専業訓練」を受ける事になった。
2週間の授業は朝8時半から夜9時まで、ビッシリの詰め込み授業だったが、
会社の業務を離れて、結構楽しい時間を過ごした様に記憶する。
中間の日曜日は休みで、10数人の仲間達と台北市内の観光をする予定だったが、土曜日の朝の授業中に、陳茂雄創会人から呼び出された。
何事かと思ったら、今から台南に行こうというのだ。
日本のファミリークラブの役員をしている別府の温泉ホテルの社長から、手紙がきて、ワニの卵を調達できないかと言ってきたとのこと。
「あなた、ファミリイクラブの責任者、今日の授業出ないOK?今から一緒見に行くです。」と流暢な日本語で言われた。
何が何だか分らないままに車に乗せられ、高速道路を一路台南へ。
車の中で、台南までは何時間かかるか聞いたところ、創会人は、
「急いで6時間、又はそれ以上、今夜、台南泊まりです。」と答えた。
台南まで時間はたっぷりある、少しずつ事情を聞きだした。
前回の日本からの専業訓練のメンバーの中にホテルの社長がいて、食事会の時に創会人が相談を受け、手紙のやり取りをした。
別府のホテルで運営している「ワニ地獄」のワニが少なくなり、ワニを調達するにも、ワシントン条約で規制が厳しく、なかなか上手くいかないので台湾から卵を運び、別府で孵化させる方法を考えたらしい。
その日夜になって台南にやっと着き、海鮮料理をご馳走になった。
翌朝 市街からかなり離れた田舎の畑の中のワニ牧場を訪ねた。
質素な金網の柵で仕切られた牧場は、予想より狭く、金網の中には2メートルくらいの深さの堀と言うか、水の入ってないプール見たいな飼育場が数箇所あり、大きさによって分けられたワニが100頭あまり飼育されていた。
食用肉と皮革の生産が目的であるとのことだった。
牧場主がここの主を見せると言って、金網で上も覆っているプールに我々を案内した。
一目見て驚いた。
頭から尾の先まで10メートルはある巨大なワニが、金網越しに我々をじっと睨んでいたのだ。
牧場主が投げ入れた生きた鶏を、巨体を一瞬の間に翻して飲み込んだ時には、予想はしていたもののわずか数メートル先のすさまじい迫力にはさすがに背筋が凍りついた。
気持ちが悪くなり、創会人に頼んで早々に引き上げた。
後日ワニの卵の輸入はうまくいかない事が分った。
台北に帰り着いたのは日曜日の夜、疲れてくたくただった。
残り1週間、研修も無事終わり,首席で卒業できた。
陳茂雄創会人は私と同年輩である。
オーストリアに留学していたらしく、いつもチロリアンスタイルできめているダンディである。
アイデアマンで、若石シューズや足もみクリーム、八福板などの若石グッズの開発者であり、人懐こい、ひょうきんな性格だ。
国際若石健康研究会の実務は、弟の陳茂松執行会長に任せていた。
後に万能洗剤シーエナジーの会社を立ち上げ、研究会とは離れて活動している。
この小旅行以来、創会人とはよき友人の間柄となり、訪台するごとに空港まで迎いに来てもらい、歓待を受けたものである。
創会人の友人に李三枝と言うご婦人がいる。
創会人との会食にはよく同席してくれて歓迎してくれた。
4回目の訪台のときに、疲れていた私を創会人と李さんは李さんの自宅に私を連れて行ってくれた。
自宅で整体業を開業している李さんの御主人除さんは、大学で法律を専攻したインテリの施術師である。
私は中国語は全く出来ないので、つたない英語で除さんと会話した。
整体は日本の指圧と良く似ているとのことで、以前から指圧タイプのじっくりつぼを押してくれる施術が好みだったので期待して施術ベッドに横たわった。
腕から始まる施術は一押しの時間がとても長く、物足りないくらいの力で始まりじわじわと圧が強まり、ズーンとした響きがとても心地良い。
すぐに半睡眠状態におちいり、うつらうつらの中で、目の奥に見える光の芸術を楽しんでいた。
一押しごとに変化するさまざまの色の光が、オーロラのように変化しとても心地良い。
ゆっくりしたと丹念な四肢の押圧に充分時間をかけていたように記憶する。
2時間半の施術が終わり、もうそんな時間がたったかと思いながら、香りの良いお茶をいただいて、車で送ってもらいホテルに帰った。
そのままベッドで熟睡し、翌朝目覚めたときの爽快感!!!
それからは訪台するごとに除さんの施術を受けた。
湧泉で整体を始めたことに、大きく影響している。
約10年後、明生館(http://meiseikan.com)の武田師に施術を受けた。
感激した。同じ感覚を味わったのである。
以来武田師に師事している。
2008/08/25
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コメント
ワニを食肉用にする?んですねぇ。
誰が食べるのかしら。高級食材として珍味なんでしょうか。
創会人とは会ったことはありますが、親しく話しをしたことがありません。でも、弟の執行会長とは雰囲気が全然違って、飄々とした感じがしたので、クッキー先生の描写はよく分かるような気がします。面白い人なんですね。
安定圧系の押圧を腕から始めるというのも面白いですね。我々は足から始めますが、腕の施術は脳を休めます。ですから、これはこれで良いものだと容易に想像できます。(ボクも個人的には腕の施術が大好きで、いつまでもやっててほしいと思うくらい)
最初は柔らかく、そして徐々に響かせていく。
時間はかかりますが、受けてていて最高だなぁ、と思うやり方なのでやっているわけです。
いずれにしても四肢へのアプローチを重視するのは実に東洋的です。
西洋手技にも良いところはたくさんあるのですが、あらためて東洋の英知を感じさせてくれた一文でした。
投稿: でじゃぶ | 2008年8月26日 (火) 11時23分
でじゃぶさん、ワニの話の続きですが、
後日別府のホテルの社長さんが温泉ホテルに
招待してくれました。
1泊何万円もする特別室に宿泊し、すごいご馳走でした。
料理にはワニの肉は出ませんでした。
腕の指圧は脳を休めるとのこと、
湧泉でもお客さんに腕の施術はストレスを取り除く効果があると説明しています。腕を押圧すると迷走神経の働きが良くなるのでしょうか、胃や腸の動く音が聞こえます。
効果を確かめるのに役立っています。
投稿: クッキー | 2008年8月28日 (木) 15時07分
腕で「胃腸が動く」ことは確かに多いですよね。
首の迷走神経を直接押圧するときよりも多いかもしれません。
ハンドリフレじゃほとんど動きませんけど、腕の三神経(正中、尺骨、撓骨)近辺で動くことが多いので、ある種の反射機序が働くのかもしれません。
逆に言うと腕の疲れから、交感緊張が続くということも考えられて、その疲れをとってあげるというのは重要な意味が隠されているのかも。
古典経絡が小腸経と大腸経を腕に配当したのは分かるような気がしますね。
投稿: でじゃぶ | 2008年8月31日 (日) 09時54分