足つぼ(リフレクソロジー)との出会い・・・3
足心道相談室の展開
官有謀氏とともに「足心道」を普及する為に会社は全国の支店、営業所に付設して「足心道相談室」を展開した。
教育のために恵比寿の官氏の事務所に男性営業社員(あまり売れない)を派遣して指導員(施術者)として教育した。
施術は手技とあんま棒の併用だった。
全国のデパート、スーパーで「足心道」の理論をもとに足もみローラーを販売していたので、販売員はユーザーへのアフターサービスとして、ローラーが売れると(売る為に)、積極的に「足心道相談室」へお客を招待したのだ。
健康に不安を持っている人がほとんどだから足もみ健康法を体験する為に熱心に通ったのである。
当時1986年頃は「足もみ」で代金を頂くことは、違法だと思われていたので施術料金は無料だった。
指圧、按摩、マッサージ、柔道整復師などの国家資格がないと施術代金を貰うことは出来ないと思われていたのである。
実は1960年に最高裁の判決が出ており、「手技を法律で取り締まることは、職業選択を保証した憲法に違反する」という内容のものだが、一般的にはまだ良く知られていなかった。
今のように国家資格者以外のリフレ、エステ、整体などが隆盛になるのは、1990年代後半のスクールビジネスブーム以降である。
相談室の売上は相談室で売れたローラーや足もみグッズ(棒、足ふみ板、クリーム、反射区図表など)や、その他の健康商品などの代金などだった。
足を施術しても代金を取らないものだから、お客はその代わりに指導員の勧めるまま商品を購入したり知人を紹介して、初めのうちは結構売上を上げる相談室があった。
しばらくしてデパート、スーパーからクレームが相次いだ。「勝手にお客を相談室に誘うのはまかりならぬ」と言うことで、結果集客は落ちた。
後に会員制にして、自分や家族のための足もみ法を教える健康講座などで料金をもらうシステムが始まったが、会社の思うようには受講者は増えなかった。
自分で揉むより相談室へ行って施術してもらう方がずっと楽で、気持ち良かったのである。
また、指導員と呼ばれていた施術者たちも、健康講座の講師であるより、施術することを選んだ。
2,7000円の講座料金をもらい、会社に内緒で実は「7回分施術の回数券」とする方法が指導員間で密かに広まり、健康講座を推進する会社には講座入講者として報告していたのである。
面倒くさい健康講座の運営が苦手であったばかりでなく、施術をすることには別の魅力があった。
先生と呼ばれ、感謝されるたびに、まるで自分が特別の能力をもった施術者であると思い、ある種の優越感、満足感をもったのである。
施術の成果に喜びを持つのは良いことだが、
自分の力を過信してしまう施術者が多かった。
良い武器を手にした者が、自分に技術や能力があるかのように錯覚したのである。
会議の後の酒席などでは自慢話が飛び交った。
中には自分には超能力があるかの様に言い出す者までいた。
続きは次回をお楽しみに!!! 2008/05/23
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