« 2010年5月 4日 (火) | トップページ | 2010年5月19日 (水) »

2010年5月10日 (月)

湧泉の整体・・・2「副交感神経優位効果」

安定持続圧による副交感神経優位効果

                 

指圧の世界的な大家であり、卓越した理論家でもある故増永静人師は、

その著書「経絡と指圧」(医道の日本社・経絡と指圧・増永静人著)

の中で以下のように述べています。

                                

『生体が昼間、交感神経優位で活動する、というのは、

生命のエネルギーを外界から取り入れることに主体がある。

このための歪みは、取り入れたエネルギーを内部で同化し、

適当に配分し、老廃物を排出するという、夜間の副交感優位の

状態によって回復される。

同時に昼間に生じた経絡の虚実は、夜間の休息で平に戻るのが

健康状態であるといえよう。

動物にはそれが可能であるが人間のストレス過剰な生活は、

虚実の歪みを回復させないままに朝を迎え、

再び昼間の活動に向かわねばならない。

その蓄積によって生じるのが、単なる休息」では回復不可能となった、

「病的虚実」にほかならない。

                               

実とは、運動態勢の緊張のまま残されて、筋肉が硬直し、

血管が緊張し、血流は増大、圧上昇といった交感神経緊張に

相応した経絡の状態であろう。

こうした実の経絡を古典では「外堅充満」というが、

原形質のゲル化した感じといえば、よりピッタリするのではなかろうか。

これに対し、「虚者聶辟(セクヘキ)(しわがより縮んだ様)気不足」というのは、

ゾル化が進行しないため空虚になった経絡の様であろう。

                                   

そこで「圧を加えるとゲルがゾルにかわる揺変性」を思い出してもらえば、

コリや硬直などの実に対し本能的に圧を加える手技療法が、

先ず医療に現れたということもうなずける。』

                                    

・・・揺変性=圧力を加えるとゲルがゾルにかわる性質は、

多くの細胞の原形質に備わった性質で、揺変性(シクソトロピー)と呼ばれる。

                                 

ゆっくりとした、痛くない、押圧中心の足の施術(安定持続圧といいます)により、

響きが伝わるように圧が浸透し、細胞の中の原形質の流動が促進されます。

この原形質流動の状態は細胞間で伝達、同化され、

身体の離れた部位まで伝わります。

クライアントの身体は、筋肉は軟化し、リラックスして、

本来の生命維持活動を担う、副交感神経優位の状態になります。

身体を休息させ、自己治癒力、修復システムを回復させるのです。

呼吸が整い、筋肉の余分な緊張がなくなり、消化器の動きが促進され、

胃や腸の動きだす音が聞こえてきます。

                             

表面的で比較的軽度の緊張やコリが先にほぐれるので、

ほぐれにくい頑固な本来のコリや、拘束が、分りやすくなってきます。

施術のターゲットが絞り込まれてくるのです。

足の施術により、整体をしやすい身体の準備が整ってきます。

湧泉の整体も押圧(安定持続圧)中心の施術です。

ほぐれにくい頑固なコリや、拘束をじっくりと押圧することによって、

筋細胞はゲル状態からゾル化し、緊張した筋組織は軟化して

コリや痛みが解消するのです。

                                         2010/05/10

| | コメント (0)

« 2010年5月 4日 (火) | トップページ | 2010年5月19日 (水) »