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腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その3

ギックリ腰その②からずいぶん日数が経ってしまいました。


書こうと思っていたことの根拠がいま一つ曖昧でしたので、ネットでギックリ腰の事を色々と調べてみたのですが、


なかなかこれだというサイトにめぐり合いませんでした。


ネットには沢山あるのですが、知りたいことを書いてあるものがないのです。


色々と勉強にはなりましたが、あきらめて、ブログの続きを書くことにしました。

 

ギックリ腰とは、突発性または、急性の腰痛の総称のことで、原因は様々です。


一般によく言われている代表的なものが

1、筋・筋膜性の急性腰痛

2、腰椎捻挫による急性腰痛

3、椎間板ヘルニアなどによる急性の変形性腰痛

4、仙腸関節の転移、捻挫

などですが、腎臓、尿管結石や他の内臓疾患なども急性の腰痛を起こす事があるので注意が必要です。


総称であり、俗称ですので、ぎっくり腰の定義は種々で、確立されたものがなく、解釈も詳細もバラバラです。

 

整形外科では急性の腰痛を主訴に来院した患者に対して、先ず内臓疾患の有無を確認し、次に骨折などの骨の異常を確認し、さらにヘルニアや脊椎分離症、すべり症などの有無を消去法的に診断して、残りを急性(突発性)腰痛症と診断する。


「いわゆるギックリ腰ですね、2、3日は冷やして、安静にして、その後無理をしなければ1週間もすれば良くなるでしょう」


「2、3週間しても良くならなければもう一度よく診てみましょう」

と言うのが一般的なのです。

 


そう、「ギックリ腰」はたいしたことはない病気なのです。


でも、起こした時はどうしてあんなに痛いのでしょう。


パニックになるほどの痛みと、全く身動きが取れない硬直は何なのでしょう。


別名「びっくり腰」とも言われているように、突然の痛みに「びっくり」して身体がパニックを起こすメカニズムを調べたかったのです。


ところが、このパニックの事を調べていたのですが、納得のゆく説明が見つからないのです。

 


「ぎっくり腰や腰痛の原因!対処法!」というサイトがありました。

やさしく、親切、丁寧に説明がされており、諸説に偏りがないと思いましたので紹介します。

http://gixtukurigosi.com/


このサイトの「ぎっくり腰の原因」というところでは、以下のような説明があります。


『ぎっくり腰の原因はいろいろな説があり、どれが正しいのかわからないのが現状だといえます。ズバリ筋肉の硬直です。一種の筋肉痙攣というのが正体です


筋肉はゴムのように伸縮をして体の動きをサポートしています。その筋肉がある事でレッとゾーンを越えると、伸縮をが一切出来なくなり、痛みとして腰を固定してしまうんです。


これはある意味での体の自然な反応と言えます。体が天然のギプスみたいに腰を動かさなくしてしまうとも言える反応なんです。』

 


詳しく知りたいと色々探していましたら、       Hon

石川県の小松市で、心療整形外科を開業している

加茂 淳医師のブログとホームページを見つけました。

ブログhttp://junk2004.exblog.jp/

ホームページhttp://www.tvk.ne.jp/~junkamo/

右の本を書いています。


ブログの中に以下の文章がありました。

ぎっくり腰は強烈な筋肉の痙攣痛なんだ。
重いものを持ったときよりも、不注意にちょっとした動作でなることが多いように思う。

筋膜の微小損傷→筋小胞体の損傷→Caイオンの放出→筋肉の痙攣



放っておいても治るかもしれないが、ワケあり筋になり長く悩ませるかもしれない。



ワケあり筋は寒冷、心的ストレス、物理的ストレスなどにより痙攣(spasm)を起こすようになる。



あるいは慢性痛として悩むケースもある。慢性痛の人に病歴を聞くと、初発はぎっくり腰のことがある。



もし、初期の段階で、この筋肉に対して、局所麻酔を注射してやれば、ワケあり筋を作らななかったかもしれない。その他の方法も考えるべきだ。



安静、血流改善、痛みを早くとる、マッサージ、ストレッチ・・・・ワケあり筋を作らない方法を考えるべきなのだ。



ワケあり筋は次々と連鎖していくこともある。痛みをかばう動作、姿勢が次のワケあり筋を作ってしまう。



あるいはワケあり筋に連結している筋を引っ張り新たなワケあり筋をつくる。



最も多くの侵害受容器があるのは筋膜、皮下なんだろ。医者の発想にはなぜか筋肉が抜け落ちてしまっている。あるいは、筋肉を甘くみてしまっている。



そして全くナンセンスな根性疼痛という妄想概念にとりつかれている。

五十肩を考えてみなさい。1年も2年も痛い人がいます。人間が四足動物なら間違いなく間欠性は行を呈していることでしょう。』

 


筋肉の痙攣(筋スパズム)
についてgoogleで検索したところ

理学療養士の勉強中の若い学生さんのブログがありましたので抜粋します。

筋スパズム

『最近、「筋スパズム」で検索して、私のホームページにたどり着く人たちが多いようです。

たぶん、みなさん、筋スパズムについて、はっきりした定義がなく困っているのではないでしょうか?

日本語の本には筋スパズムについて詳しく書かれている物はほとんどないと思います。

私も、筋スパズムについて文献を集め、まとめるという作業をしたことがありますが、資料不足に悩まされました。

私が使ったいくつかの文献やテキストから、いくつかの人たちの定義や記述を要約したものを下記に挙げようと思います。



参考になればよいですが、


James Cyriaxによると
筋スパズムは痛みの結果である。
筋スパズムは痛くない。
筋スパズム自体は無症状である。
筋スパズムは2次的なものなので、治療はその原因に対して行う。
筋スパズムは保護機構として起こるが、時に生体に有害な影響を与える。

鈴木順一によると
筋スパズムは急性期にも慢性期にも起こる
筋スパズムは筋の病変である。
筋スパズムは損傷に対する反応である。
侵害刺激の侵害受容器に対する持続的な刺激により反射活動の強化が起こり、筋スパズムを形成する。

DeJongによると
スパズムは防御的、保護的なものである。
スパズムは大脳皮質から筋線維の間のどこかでの刺激によって起こる
多くは筋にも神経にも影響を与える末梢で起こる。
痛みによって生じる。
機械的刺激でも局所にスパズムを起こす。
スパズムは、恐怖心、興奮、緊張に対する反応として、随意的にも生じる
末梢神経の刺激や損傷、特に変性過程で生じやすい。

Chanmugamによると(物理療法のすべてp84~)
筋スパズムが痛みを起こすことはよくある。(←これについては他の人の考えと全く逆です)
筋スパズムは骨・関節・腱・靭帯などの病理的変化によっても起こる。
スパズムを起こしている筋内の血管は圧迫され血流が減少または停止する。
安静時でも運動時でも、阻血により痛みは生じる。
筋スパズムは求心反射作用により起こる。
深部の痛み→持続性の筋収縮→反射的収縮→深部の痛み→反射的収縮、という悪循環。
塩酸プロカイン注射、超音波療法・・・悪循環のどこかを断ち切る。

博田節夫先生によると(関節運動学的アプローチより)
関節機能異常の症状として特徴的なものに筋スパズムがある。
仙腸関節機能異常により生じるものが多い。よって腰痛の既往を持つものに多い。
腰痛のない者では第1肋椎関節機能異常か、C2-3椎間関節機能異常が原因となる。
筋スパズムのある筋が運動に関与する関節に二次性の関節機能異常を起こす。


治療には、原発の関節機能異常を治療する。
筋スパズムにより間接的に運動制限が起こる。
関節機能異常により直接的にも運動制限は起こる。
筋スパズムは関連痛の領域に出現する。
触れると硬く、圧痛がある。
こむらがえりなどの有痛性の筋痙攣を頻発することがある。
いわゆる凝りは、筋スパズムの軽度なものと考えられる。
高度になると有痛性筋痙攣となる。
肩および頚部の凝りは主に僧帽筋のスパズムによって起こる。
上方への関連痛は頭痛、下方への関連痛は肩甲骨部の痛みや凝りとなる。

以上です。



一人目のJames Cyriaxとは有名な整形外科医で、整形外科のテキストを書かれています。

そのテキストからの引用となっています。

James Cyriax氏は筋スパズムに対して次の2つの実験をしました。



一つ目


硬膜外局所麻酔を注射

すると、
 痛み・・・麻酔によりなくなる。
 筋収縮・・筋には影響しない。

つまり、
 痛み・・・取り除かれる
 同時に筋スパズムのなくなる。

よって、
筋スパズムは麻酔によってなくなったのではなく、痛みを取り除いた事による。



二つ目


筋弛緩薬を注射

すると、
 痛み・・・筋弛緩薬は痛みには影響しないので残存。
 筋収縮・・筋は弛緩する。

つまり、
 筋スパズム・・・取り除かれる
 しかし痛みは残ったまま。

よって、
筋スパズムが痛みの原因ではない。

筋スパズムの発生機序をきちんと把握しておけば、その筋スパズムが治療するべきものなのか治療しないべきものなのかが分かってくると思います。

筋スパズムが生体に対して有害な場合のみ筋スパズムを治療します。

筋スパズムが痛みによって起こっているのならば、筋スパズムが有害なのではなく。痛みが有害なのです。



その場合は、有害な痛みが治療対象となります。

その治療方法は、局所安静であったり、物理療法やAKA-Hなどといった物になるでしょう。』                       AKA-H=関節運動学的アプローチ博田法
 
 
いろんな説がありますが、とにかく痛みは早く取り除くべきものです。
 
急性の痛みであっても慢性痛を引き起こすからです。
 

今回の最後に名古屋大学名誉教授で、世界的な痛み学の権威
 
熊沢孝朗教授の「痛みの科学」という講演の動画を張ります。
 
前述の加茂先生のブログに在ったものです。
 
http://nime-glad.nime.ac.jp/semp/wm.asx?0u-air%2fspecial_lecture%2f014
 
「腹証(お腹の指圧)が効いた!ギックリ腰に・・・その③」
はその④に続きます。
           2009/05/05

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